日食情報

一般に四大天文現象というものがあり、皆既日食オーロラ(天文現象か疑問はあるが)、流星雨巨大彗星、と言われているそうだ。
当会で観測した中では、しし座流星雨、へール・ボップ彗星、が流星と彗星分野のそれにあたるだろう。
残るは日食とオーロラだが、両者とも見られる場所が限られるため、時間と費用を要する現象である。それでも日食は毎年どこかで起きてはいるイベントである。で、今後日本で日食は見られるのか、ちょっと調べてみた。すると、2009年、2012年に見られることが分かった。
しかし、条件はそうたやすいものではなかった。なお、データは北海道大学情報基盤センターのWebサイトを参考にさせていただいた。

2009年7月22日(水)皆既日食-インド〜中国〜日本

左図のように、真中の3本線の内側が皆既が見られる範囲で、インド北部から中国、南九州、小笠原、太平洋にかけて皆既帯が通っている。
この範囲外では部分食となる。
日本では、ちょうど九州・鹿児島と沖縄の中間に皆既帯が通っていて、もうちょっと北側にずれていてくれたらと思わずにいられない。
関東では食分0.7485の部分食となる。

 
東京
鹿児島
那覇
食開始
9:55:33
9:37:14
9:32:42
食最大
11:12:56
10:57:17
10:53:54
食終了
12:30:16
12:20:44
12:20:3
食分
0.7485
0.9625
0.9163

本土内からだと鹿児島の最南端で見るのがベストであるが、部分食止まりである。この年を逃すと、2035年まで待つことになるので(日本で)、ここは少々無理をしてでも条件の良いところへ、皆既食を見に行くべきだろう。

 

そこで、皆既帯を拡大してみよう。
右図で、1、2は屋久島、下の6、7は奄美大島である。赤い線の内側が皆既帯で、真中の線に近いほど皆既食の時間が長いことになる。
その線に近い所に位置する4の島、悪石島(あくせきじま)、その島こそベストの観測地と言える。

 
皆既食始
皆既食終
皆既時間

1.上屋久

10:57:14
10:58:47
01:34
2.屋久
10:56:08
10:59:59
03:51
3.十島
10:53:51
10:59:51
06:00
4.悪石島
10:53:21
10:59:41
06:20
5.宝島
10:52:53
10:5845
05:52
6.笠利
10:55:47
10:58:43
02:56
7.名瀬
10:56:30
10:57:17
00:47
8.喜界
10:57:06
10:58:47
01:41
 上海
09:36:49
09:41:48
04:59

参考までに上海での時間も載せておく。(現地時間)

もう一つの観測地として、小笠原諸島がある。
その中で条件が最も良いのは、北硫黄島(皆既時間6分35秒)であるが、一般の立入はできないようである。
夏休みに入っているので、数々のツアーが計画されることだろう。特に右図内の薩南諸島への渡航者は空前絶後になると思われる。

 

 

2012年5月21日(月)金環食-西太平洋沿岸-


金環食ではあるが、東京、横浜を皆既帯の中心が通るという珍しい食である。
明け方ではあるが、かなりのニュースになることだと思われる。食分は、横浜で最大0.9688。( )内の数字は地図の都市No。
私の自宅は真中の線上にかなり近いが、ベストは武田氏のマンションである。ここの屋上で見るのが最良かと思われる。

 
食開始
金環食始
金環食終
金環食時間
食終了
水戸(35)
06:20:23
07:33:56
07:38:52
04:56
09:05:06
東京(28)
06:19:00
07:31:54
07:36:58
05:04
09:02:31
横浜(自宅)
06:18:44
07:31:28
07:36:32
05:04
09:01:51
浜松(21)
06:17:15
07:28:47
07:33:46
04:59
08:57:37

東京地方での見え方

なお、この金環食は、上記の皆既食で注目されている薩南諸島でも見ることができる。時間こそ京浜地区に比べ短いが、
立派に金環食が見られる。結局、この地域では3年ほどの間に、皆既と金環の2つのイベントを経験することになる。

 

その他の日食

年/月/日

食の型
主な地域 備考
2007 / 3 / 19
部分食
北海道、山陰・山陽、四国、九州  関東は見えず
2008 / 2 / 7
金環食
南極  
2008 / 8 / 1
皆既食
カナダ、北極、ロシア、中国  
2009 / 1 / 26
金環食
東南アジア  
2009 / 7 / 22
皆既食
インド、中国、日本  上記記載
2010 / 1 / 15
金環食
アフリカ、スリランカ、中国 西日本で部分食
2010 / 7 / 11
皆既食
南アメリカ  
2011 / 6 / 1 
部分食
北海道   
2012 / 5 / 20
金環食
関東〜九州、中国 上記記載
2012 / 11 /13
皆既食
オーストラリア  
2013 / 5 / 9
金環食
オーストラリア、東南アジア  
2013 / 11 / 3
金環食
アフリカ  
2015 / 3 / 20
皆既食
北極  
2016 / 3 / 9
皆既食
東南アジア 日本は部分食
2016 / 9 / 1
金環食
アフリカ  
2017 / 2 / 26
金環食
南アメリカ、アフリカ  
2017 / 8 / 21
皆既食
北アメリカ  
2019 / 1 / 6
部分食
日本全土で部分食  
2019 / 12 / 26
金環食
中近東、インド、東南アジア 日本は部分食
2020 / 6 / 21
金環食
アフリカ、中近東、インド、中国 日本は部分食
2020 / 12 /14
皆既食
南アメリカ  

 

参考Webサイト
*日食データベースリンク先 : http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~x10553/
       日食のオンライン・データベース。優れもの日食図・日食計算プログラムがダウンロードできる。
*地図から経緯度 : http://watchizu.gsi.go.jp/
       2万5千分の1地図上で場所をクリックすると、そこの経緯度が分かるようになっている。

 

 

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